会員の石松紀子(広島市立大学/現代美術論)氏より、「東南アジア美術公開セミナー、2024年12月13日(金曜)開催(対面式)」の開催案内がございました。ふるってご参加ください。
ホームページ部会(2024年12月)
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【東南アジア美術公開セミナー「現代美術のはじまり?—1960-70年代の東南アジアを事例に」のご案内】
本セミナーでは、旧英国植民地であるマレーシアとミャンマーにおける独立後まもない1960年代から70年代に焦点を当て、国家形成と脱植民地の状況下で形成された美術動向を紹介します。近代的な植民地主義の終焉は、被植民地諸国における現代美術のはじまりを示すのか?―各国において新たな美術表現を試みる作家や作品を事例に検証します。
▼日時:2024年12月13日(金)16:00-17:45
▼場所:広島市立大学芸術学部棟5階(広島市安佐南区大塚東3丁目4-1)
現代表現CA+Tラボラトリー(551教室)
*どなたでも参加できます(参加無料、事前申込不要)。
▼主催:基盤研究C「脱植民地期の東南アジアにおける美術形成プロセス—旧英国植民地3国をとおして」(代表:石松紀子)
▼共催:広島市立大学芸術学部デザイン工芸学科現代表現領域
▼問合せ先:石松紀子(広島市立大学芸術学部准教授)メール:ishimatsu*hiroshima-cu.ac.jp (*を@に変更して連絡)
▼セミナー・スケジュール
・16:00-16:10 はじめに
・16:10-16:45
研究発表1「1960-70年代のミャンマー現代美術:ModernとContemporaryをめぐって」
五十嵐理奈(福岡アジア美術館学芸員)、山本文子(ミャンマー映画研究者)
〈要旨〉2021年にクーデターが起き、束の間の民主的な状況から一転したミャンマー。1948年の英植民地支配からの独立後、60年代からは軍事独裁政権によるビルマ式社会主義が敷かれ、海外渡航や情報の統制、表現の自由を制限する検閲が課された。しかし、こうした厳しい時代にあって「現代美術」を探し求める動きがはじまった。本発表では、とくにその萌芽がみられる60-70年代の作家たちの動向や展覧会に焦点をあてて、その実験的な試みを紹介する。
・16:45-17:20
研究発表2「1960-1970年代におけるマレーシア抽象絵画の形成と変遷」
石松紀子(広島市立大学准教授)
〈要旨〉マレー系、華人系、インド系といった多様な民族から成るマレーシア。
1957年に英植民地支配からマラヤ連邦として独立し、1963年のマレーシア(シンガポール、サバ、サラワクを含む)成立や、1965年のシンガポール分離独立を経て、現在のマレーシアとなる。独立後、美術を学ぶために欧米に留学した美術家たちが帰国すると、新たな美術様式として抽象表現をマレーシアの美術界に導入した。しかし、1969年に民族衝突が起きたことで、1971年に民族文化会議が開催され、そこでの議論を基に国家文化政策が制定されると、その表現にも変化が現れる。本発表では、60年代に形成された抽象表現から、70年代のイスラーム的要素を取り入れた抽象絵画への変遷をたどる。
・17:20-17:40 ディスカッション
コメンテーター:石谷治寛(広島市立大学芸術学部准教授)、堀川理沙(Director, Curatorial & Collections, National Gallery Singapore:※オンライン参加)
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