会報

No.156

 

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【広島芸術学会】会報第156号  2020年2月24日発行

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□目次□

1.第130回例会(3月15日)のご案内

2.懇親会(第130回例会)参加申込についてのご案内

3.事務局から

・新入会者のお知らせ

・訃報

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1.第130回例会(315日)のご案内

下記のとおり、第130回例会を開催いたします。どうぞ多数お集まりください。

 

日時:2020年3月15日(日)15:00~17:10

会場:広島大学(東広島キャンパス)・総合科学部J棟306室(東広島市鏡山1-7-1)

アクセス:JR西条駅から「広島大学」行バスで「広大西口」下車(所要時間約15分)

(総合科学部J棟バス停より徒歩5分)

※東広島キャンパスアクセス:https://www.hiroshima-u.ac.jp/access/higashihiroshima

※JR西条駅~広島大学バス時刻表:http://www.geiyo.co.jp/Unyu/daigaku201903.htm

※キャンパスマップ:https://www.hiroshima-u.ac.jp/system/files/135749/saijyo_ja_2019.pdf

 

懇親会:18:00~ 於 肉料理 春祺廊

※「2.懇親会(第130回例会)参加申込についてのご案内」をご参照ください。

 

〈お断り〉

なお、新型コロナウィルスをめぐる昨今の状況に照らし、このたびの例会・懇親会を延期あるいは中止する場合には、あらためてメール配信および学会ホームページにてご連絡いたします。

 

  • 15:00~16:00:研究発表1

「作品鑑賞と救済についての考察―アンリ芸術論より」

山本美咲(広島市立大学協力研究員)

(要旨)

ミシェル・アンリ(1922-2002)は、従来の現象学が具体的な諸事物や事象がいかにして現れるかを問題としたことに対して、そうした諸事物・事象が現れること自体がいかにして可能となるかを問題とし、現象学の問いをより根底的なものとすることを試みた哲学者である。アンリはあらゆる現れと現れること自体の根拠を自己-触発auto-affection、すなわちパトスとして現れる自己自身の直接無媒介的体験のうちに見出しており、自己による自己の体験を欠いては生ける者たりえないという性質から、自己-触発は<生>と同一であるものとされる。

自己-触発と生という鍵概念によって芸術を分析するアンリは、作品鑑賞とは作品において強調され表現されている特定の印象や感情等を鑑賞者が自らにおいて現し受け取ることであるとし、この体験において鑑賞者に固有の生は平生よりもいっそう強く自己自身を体験するのだと考える。さらにアンリは芸術鑑賞を通じて遂行されるこのような自己-触発の激化をアンリ的な意味における救済salutであると捉えている。

本発表が考察の対象とするのはこの救済に関する問題である。アンリの議論を振り返るとき、我々は作品鑑賞において鑑賞者は作品を媒介として作者によって救済の契機を与えられていると想定し得るのだが、こうした作者と鑑賞者の関係が可能であるとして、そこに至るまでの詳細な過程の検証が必要である。この検証を通し我々は芸術作品が担う役割の一つを明らかにするとともに、アンリが多くを語っていない生ける者同士の間に成立しうる関係の可能性を探る。

 

  • 16:10~17:10:研究発表2

「内裏御所の床の間を飾った芸術的営為としての「いけばな」―『言國卿記』の記事を中心に―」

石橋健太郎(広島大学大学院総合科学研究科博士課程後期)

(要旨)

本発表では、室町時代における「いけばな」の確立及び様式の発展の契機として、書院造建築の床の間(押し板)が重要な役割を果たした事実およびその背景の事情について、文献実証的に明らかにする。今回、主として取り上げる『言國卿記』(室町時代の公家・山科言國の日記、記録期間1471-1502)では、書院造の特徴的施設である「床の間」(床・押板)が内裏の小御所や学問所に新設され、そこに「たてはな」が飾られたことが確認できる。内裏御所における「床の間」等の新設と「たてはな」の導入の関係についての歴史学的言及は、前例がないと思われる。

そこで本発表において、書院造の床の間と花を飾る芸術的営為との関連について、儀礼性を視点として分析・解釈する。書院造は、式正の格式を持つ住宅の特徴的様式として、将軍家や大名家、最終的に天皇家にまで導入された。儀式の行われる公共空間となった書院造に付属する床の間は、儀礼や格式に相応しい装飾としての「たてはな」を必要とした。高度な儀礼的役割を担うべく、「たてはな」は新たな様式や機能を獲得していく。私的で趣味的なものであった「たてはな」の性格が、公的で正式,必須の存在に変わる。公的儀礼的性格の装飾、つまり「表」の装飾としての「いけばな」が成立したことが契機となり、「いけばな」が飛躍的に発展するのである。

 

2.懇親会(第130回例会)参加申込についてのご案内

第130回例会の終了後、下記のとおり懇親会を開催いたします。

参加につきましては、事前にメールでの申込みとさせていただきますので、皆様のお申し込みをお待ちしております。

 

日時:2020年3月15日(日)18:00〜

会場:肉料理 春祺廊

申込締切:3月13日(金)

申込先:qurima@yahoo.co.jp (懇親会幹事:片山俊宏)

 

3.事務局から

◆ 新入会者のお知らせ(敬称略)

吉 慶(きち・けい/美学)

河野ななみ(こうの・ななみ/中世、近世、日本美術史)

山本美咲(やまもと・みさき/美学)

 

◆ 訃報

当学会の会員で委員も務められました詩人・井野口慧子氏が、令和元年12月1日にご逝去されました。

謹んで哀悼の意を表し、お知らせいたします。

 

 

住所、メールアドレスの変更、入退会については、
下記事務局までご連絡ください。

広島芸術学会事務局
〒739-8521 東広島市鏡山1-7-1
広島大学 総合科学部 人間探究領域(人間文化)
Fax: 082-424-0752
E-mail: hirogei@hiroshima-u.ac.jp