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【広島芸術学会】会報第160号 2021年2月20日発行
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□目次□
1.第132回例会(3月7日)のご案内
2.第12回芸術展示〈制作と思考〉「Sweet Home—家庭の美学」(3月16日〜21日)のご案内
3.2021年7月刊行予定『藝術研究』第34号への論文投稿のご案内
4.事務局から
・新入会者のお知らせ
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1.第132回例会(3月7日)のご案内
下記の要領で広島芸術学会第132回例会を開催いたします。ご参加をお待ち申し上げております。
日時:3月7日(日)13:00〜16:30
会場:ウェブ会議システムZoomを用いたオンライン開催
※参加方法の詳細については、開催一週間ほど前にメールなどでお伝えいたします。
※当日は、先着の100名までがZoom会議に入ることができます。
プログラム
●第1部 13:00〜15:00
青木孝夫教授 最終講義(広島大学退職記念)
「日本の美学、東アジアの芸術観(仮)」
〔主催:広島大学総合科学部及び大学院人間社会科学研究科人間総合科学プログラム教員有志(発起人:桑島、関村)、広島大学人間文化研究会、共催:広島芸術学会〕
●第2部 15:30〜16:30
研究発表
「作品調査の記録をたどる─土居次義によるモレリ法の応用─」
多田羅多起子(広島大学)
(要旨)
作品の調査記録は美術史研究の根幹をなす。記録方法に統一された形式はないが、調査票の記入(あるいは入力)と写真撮影によるものが一般的であろう。現在では、デジタル技術の進歩により、撮影した写真画像にその場でメモを加えることも容易である。今回の発表では、写真記録による調査が簡単ではなかった時代に、研究者がどのような作品調査を行い、記録していたか、記録方法が考察過程にどのような影響を与えていたかについて、日本近世絵画の研究で知られる土居次義(1906-91)の記録をもとに考える。
土居の研究方法の特徴として、モレリ法に言及されることが多い。モレリ法とは、イタリアの医師であり美術愛好家でもあったジョヴァンニ・モレリ(1816‐91)が提唱した鑑定方法で、画家が意識しない細部にあらわれる癖に注目するものである。土居はその手法を障壁画研究に応用し、岩組や皺法などにあらわれる画家の個性の判別を試みた。当時にあってこの手法を用いることは、形の比較分析という実証性を重んじる方法で、伝承の筆者を再検討するという意味合いが強い。ただし、彼の研究を記録と発言から総合的に振り返るならば、モレリ法の応用はあくまで研究上の一過程であること、加えて、土居が注視していたのは画にあらわれた細部の形そのものではなく、形の背後にある画家の制作行為であったことが見えてくる。このような土居の視点を研究成果と照らし合わせながら、日本美術史形成期の記録のありようを検証していきたい。
2.第12回芸術展示〈制作と思考〉「Sweet Home—家庭の美学」(3月16日〜21日)のご案内
本学会では、1996年以来、隔年で「芸術展示」を開催してきました。その第12回展「Sweet Home—家庭の美学」を下記のとおり開催いたします。
1 主 催: 広島芸術学会
2 会 期: 2021年3月16日(火)〜3月21日(日) ※会期中無休
3 会 場: 広島県立美術館 地階 県民ギャラリー(4室・5室)
(〒730-0014 広島市中区上幟町2-22)
4 開場時間: 9:00〜17:00(3月19日(金)は19:00まで)
5 入 場 料: 無料
6 趣 旨:
このたび開催する「Sweet Home—家庭の美学」は、依然、新型コロナウイルスの感染拡大が続く今日において、私たちの生活に根差す場所である「家」に着眼して、芸術的な感性で捉えた作品をご紹介します。
ウイルスという外敵から身を守るものとしてマスクの着用が習慣化したように、「外」と距離を保つための施策—緊急事態宣言の発令や、テレワークの普及、海外へ/からの渡航制限は、家庭内での生活時間を増やし、「家」に対する私たちの考え方を緩やかに変容させたといえます。
家=Homeという言葉には、家庭、家族、故国、原産地、宿泊所、療養所など多様な意味が見られます。また、フロイトの示唆を借りれば、「家」は、慣れ親しんだものであると同時に隠匿された不気味なものであるかもしれません。
コロナ禍の下、16名の作家それぞれが考え、表現した「家」の在り様をぜひご覧ください。
7 出品作家:16人
岡孝博、小田茂一、草地里帆、越川道江、才田博之、田川久美子、千田禅、根木達展、范叔如、
平野邦明、広田和典、船田奇岑、三浦実一、薮野圭一(広島芸術学会会員)
手嶋勇気、中山いくみ(ゲスト作家)
※チラシは、別途郵送いたします。
3.2021年7月刊行予定『藝術研究』第34号への論文投稿のご案内
広島芸術学会会員のみなさまにおかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
学会の『藝術研究』編集部会より、学会員メーリング・リストをお借りして論文投稿のご案内をさせていただきます。
ご存知のとおり、本学会では例年7月に研究情報誌『藝術研究』を刊行しております。現在、次号(第34号)の発刊へ向けて投稿を募っております。芸術や美学に関する日頃の調査研究ないし思索の成果を発表する場として、みなさまに積極的にご活用いただきたく、投稿のご案内を差し上げる次第です。
投稿論文には、編集部会員による査読を経て採否が決まる「査読論文」(原稿用紙換算36〜44枚)と、口頭発表の内容や調査の成果などが校閲のみを経て掲載される「論考」(40枚まで)の二種がございます。まずは下のリンク先の投稿規定をご覧ください。投稿と学位論文の関係に関する申し合わせも掲載されていますので、大学院生のみなさまは、こちらも必ずご参照ください。ご不明な点があれば、ご遠慮なく編集部会の柿木(kakigi@hiroshima-cu.ac.jp)までお問い合わせ下さい。
https://home.hiroshima-u.ac.jp/hirogei/NTG.htm
投稿の締め切りは3月31日です。研究の蓄積をお持ちの方は、ぜひ投稿を前向きにお考えくださいますようお願いいたします。とくに例会や大会で研究発表をされた方は、投稿を積極的にご検討ください。なお、投稿の意思がお有りの方は、まず事務局(hirogei@hiroshima-u.ac.jp)までご一報ください。詳細な投稿要領をお送りいたします。何とぞよろしくお願いいたします。
『藝術研究』編集部会長 柿木伸之
4.事務局から
◆ 新入会者のお知らせ(敬称略)
草地 里帆 (くさじ・りほ /染織・現代美術)
中内 美智子 (なかうち・みちこ /美術 日本画)